今、俺達は禁断の実験を行おうとしている。
人類が手出ししてはいけない、悪魔の行い。
そう。
人造人間の創造を行おうと、しているのだ!
実験は、満月の夜に始まった。
草木とミッキーが寝静まるのを待って、いよいよ作業が始まる。
俺は、親父の邪魔にならない特等席でスタンバイ。
マスキングテープを手渡すのが、俺に託された仕事だ。
ツギハギだらけのこいつは "GIGANTIC FRANKENSTEIN"
通称 ビッグフランキーのビギー
初代は1964年に誕生した、ふるーいふるーいプラモデルだ。
慎重に慎重にマスキングテープを剥がす。
プラモデルっつーのは、プラとプラを溶かしてくっ付けるんだ。
日本人はプラモっつーとTAMIYAみてーな完成度のたけーヤツを想い描くんだが、古ーい古ーいアメリカのプラモはいたる所に隙間が空いてんだ。歪みなんつーのもザラだぜ?
今日は友達の助手と仮組みだ。
震える助手の指先。
ついに、ビギーが..................... 立った!
完成が近づきふと 顔をあげる親父。
”あぁ 服を着せてやらねばいかんなぁ”
最後に塗装を始める俺達。
シュー シュー。 庭に塗料の匂いが立ちこめる。
シュー シュー
シュー シュー ・・・
グリーン オリーブ サンド ライム ダークグリーン グリーン オリ・・・
幾重にも生命を重ねて行く......
幾重にも生命を重ねて行く......
何度かのティーブレイクをえて。
いよいよ完成だ!!!
20000万ボルトの電流を流し、いよいよビッグフランキーが目覚める!!!!